網膜色素変性症とは

網膜色素変性症とはなにか

私たちが普段目にしている光は、カメラで例えるならフィルムのような役割をしている「網膜」と呼ばれるところで焦点を合わせ、脳に情報が送られることで見えています。網膜に異常な色素沈着が起こる一連の病気のことです。網膜には光の強さを感じとる杆体細胞と、色を感じとる錐体細胞があり、物を見分ける大切な働きをしています。その情報が視神経を通して脳に伝えられることで、私たちは物を見ることができるわけです。ところが、この網膜の上皮層に色素がにじみ出て沈着すると、その部分の杆体細胞は侵され、明暗を感じる機能が失われてしまいます。 その結果、視野が狭くなってくるのです。 視野狭窄は長い年月にわたってゆっくりと進んでいくのが特徴です。そのため、子供のころになってもハッキリ異常を感じるのは20代、30代になってからというケースもよく見られます。 網膜色素変性症は4000人から8000人に1人の割合で起こっています。そのうち50%の方は遺伝が関係して発症していますが、あとの50%は親族に誰も同じ病気の方がいないのに発症しています。。網膜色素変性症の機能をもとの状態にもどしたり確実に進行を止める確立された治療法はありません。

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網膜色素変性症の主な症状

(一)夜盲症(暗いところや夜にものが見えにくい)
網膜にある視細胞のうちの杆体細胞といって、主に暗いところで働く細胞に異変が起こり、徐々に細胞が死んでいくために網膜が萎縮して、光を感じ取ることができなくなり、暗いところでものが見えにくくなります。室内の薄暗いところにあるものが識別しにくかったり、夜の車の運転がつらくなったりといった症状がみられます。逆に、明るい所でまぶしいという『羞明(しゅうめい)』の症状も、病気が進むと現れてきます。

(二)視野狭窄(視野の一部が欠けて見えない)
視野が狭くなってることです。歩いていて人とぶつかりやすい、小さな段差に気づかずつまずく、落としたものを探しにくいです。車の運転で左右の車に気づきにくいです。人や車などが横から近寄ってくるのが分からないなど、日常生活に支障が出るだけでなく、危険なことも増えてきます。視野狭窄が進むと、視野の周辺部(左右・上下)が次第に見えにくくなり、中心部付近だけしか見えない状態になります

(三)視力が低下している
進むと視力も低下して視力障害となりますが、症状の現れ方や進行には個人差があり、視力低下から始まる人もいます。、非常にゆっくりと進行するので、定期健診で悪化が認められないことはめずらしくありません。数年から数十年かけてゆっくりと視野が狭くなり、視力が低下し、失明となる場合もあります。実際には、社会的失明(矯正視力が0.1以下)が多く、難病情報センターによれば「医学的失明になる方はむしろ少ない」とされています。

網膜色素変性症の症状や進行程度

症状や進行程度は、人によってかなり違いがあります。網膜色素変性症の典型的な症状は、夜や暗いところでものが見えにくい「夜盲、鳥目」と、視野が狭くなる「視野狭窄(きょうさく)」です。これは網膜の視細胞のなかでも、暗い場所での識別や視野の広さに関係している、杆体(かんたい)細胞に障害が起こるためです。2つの症状のうちでは、どちらかといえば夜盲・鳥目が先に起こり、室内の薄暗いところにあるものが識別しにくかったり、夜の車の運転がつらくなったりといった症状がみられます。加齢やほかの目の病気でもよく似た症状がみられますが、網膜色素変性症は両眼性で、少しずつ進行していくので、まず受診して検査を受けることが大切です。最近の都会では明るい場所が多いため、夜盲・鳥目の症状になかなか気づかず、視野が狭くなってから初めて「おかしい」と感じる人も少なくありません。視野が狭くなると、歩いていて人とぶつかりやすい、小さな段差に気づかずつまずく、落としたものを探しにくい、車の運転で左右の車に気づきにくい、といった症状がみられるようになります。いずれも分かりやすい症状なので、この場合も早めに受診することが大切です。視野狭窄が進むと、視野の周辺部(左右・上下)が次第に見えにくくなり、中心部付近だけしか見えない状態になります。この段階になると、視力もかなり低下していることが少なくありません。

病気が進行する前にできること

病態について正しく理解する

網膜色素変性症は進行の速さや度合いには個人差がありますので、同じ時期から発症したとしても同じ経過をたどるかどうかは分かりません。すべての方が光を失うというとそうではありません。自分の進行状態を把握し、将来に向けてどのような準備をしておくか情報を集めておくことが大切です。

日常生活

網膜色素変性症の対症的な方法として、遮光眼鏡を使います。遮光眼鏡は明るいところから急に暗いところに入ったときに感じる暗順応障害に対して有効であるほか、物のコントラストをより鮮明にしたり、また明るいところで感じる眩しさを軽減させたりします。視力が低下してきた場合、補助器具を有効に使うことによって生活がしやすくなります。

定期的に眼科を受診する

この病気は非常にゆっくり進行していくので、できれば定期的な検査で病状を把握することで、病状に合わせた支援を受けられることにつながります。そして、最新の治療法についての情報を得ることができるのでやはり受診はしておきたいです。

中国での網膜色素変性症の鍼灸治療

中国では1970年代から鍼により網膜色素変性症の治療は病院に取り入れられています。1980年代中期から伝統的に使われていた経穴以外に、さらにいくつかの有効なツボが開発され、豪鍼(鍼の一つの種類)を使って、鍼の感覚を眼区まで到達させることが重要だとされました。頭皮鍼や電気鍼および耳鍼なども使われている。鍼治療法は異なるため、効果が一定しない。視力がまだ完全に落ちないうちに治療すると効果が上がりやすいです。昭和62年8月25日(火曜日)、読売新聞の記事<失明寸前、中国で回復>によると、「沼津市牟田口裕之さんという方が網膜色素変性症の治療するため、中国で鍼や漢方薬の療法を五ヶ月間にわたって受け、奇跡的に進行を喰い止めたばかりか視力もほぼ回復した」と報告されています。それが、きっかけで多くの患者様が鍼灸治療を受けるようになりました。

中国医学の中で網膜色素変性症という病気の名前は「青盲」という病名に相当します。例えば古典医学書<諸病源候論・巻二十八>のなかに<青盲>には「目には何の異常もなく、瞳の黒白もはっきり分かれているが、見ることが出来ない。」と書いていてます。病因や病機は復雑で、東洋医学的な見方では、生まれつきの体質で精血の不足により目に栄養がいかなくなりました。またはストレスなど精神的なものによる、気血が滞り、脈絡が通らなくなって目に栄養がいかないと考えられます。鍼灸治療をはじめとする東洋医学ではそのような血流の改善に取り組む治療を行います。ちなみに、東洋医学では、局所だけではなく、全身の状態を改善することによって、個々の病気もよくなっていくと考えています。